春、ミツバチがどんどん増えて来て、野山の花々も次々に開花。
掃除採蜜が終わって、蜂蜜がどんどん貯まってきます。
蜜枠の上部三分の一蓋掛けが、採蜜の合図
蜜枠上部が三分の一くらい蓋掛けされたら、採蜜しましょう。
春の採蜜でしたら、糖度は十分です。
夏は、糖度が低い傾向があるので、上図のように前面が蓋掛けされてからのほうが良いです。
採蜜のやり方
蜜枠を取り出し、ミツバチを払います
巣門前に新聞紙を広げて、そこにミツバチを落とします。
巣枠を持って、上下に2,3回強く振り、ミツバチを振り落とします。
その時に、女王蜂がいないかどうか確認。
もしも女王蜂がいるようであれば、女王蜂を優しく下の採蜜しない巣枠に移動させます。移動といっても、指でポイッと下に落とすだけです。
女王蜂が高い位置から振り落とされた場合、まれに腹部を損傷する場合があるのです。それを防ぐため。
蜂人舎での実際の作業では、丹念に女王蜂を探すことはしていません。両面をパッパと見て、居ないようであれば振り払っています。慣れてくると、女王蜂がいるとすぐに分かるようになります。
趣味の養蜂であれば、念入りに女王蜂の確認をしたほうが良いです。専業養蜂家は、それよりも効率を重視です。そうしないと、時間が掛かってしまいますので。
振り落とされずに残ったミツバチを蜂ブラシで優しく払います。
蜂ブラシは、1行のほうが良いと思います。2行ですと、ミツバチがブラシに絡まりやすくなるようです。
蜜蓋を切ります
蜜蓋は、下から上へ切っていくと切り易いです。
今までに、両刃の特性蜜刃、日本式蜜刃を購入して使用したのですが、使用感はイマイチ。一番使いやすいものは、刺身包丁でした。
一番初めに奮発して、業者の養蜂資材カタログで一番高い特性蜜刃(2015年で11000円)を買ったのですが、これが使いづらい。私は使いこなすことが出来ませんでした。
その後たどりついたのが、刺身包丁。これはお勧めです。
ホームセンターで2,3千円くらいの値段。
専用の道具よりも安くて使いやすいです。

熱湯が入った水筒
1リットルの水筒に熱湯を入れて、刺身包丁を2本刺しておきます。2本の包丁を交互に使うのです。これで包丁がアツアツで、蜜蓋もきれいに切ることが出来ます。1リットルの水筒を2本用意。1本目の水筒のお湯がぬるくなったら2本目に交換すれば、半日十分に持ちます。
現在は、電源式の蜜刃を使用しています。カーバッテリーに繋いで刃を熱して使います。趣味の養蜂であれば、水筒で十分でしょう。
遠心分離機に蜜枠をセット

蜜枠を入れた遠心分離機
蜜蓋を除いた蜜枠を、遠心分離機にセットします。
最初はゆっくりと、がたつきが無いようであれば、回転数を上げて行きます。
がたつきがある場合は、何か原因があります。遠心分離機の巣枠フォルダーにちゃんとセットされていなかったり、遠心分離機にセットした巣枠数のバランスが悪かったりします。その場合は、一度回転を止めて原因を探して解消しましょう。
蜂蜜を保存容器に移します
遠心分離機の底に蜂蜜が貯まってきたら、下のコックを開けて蜂蜜を保存容器に移しましょう。

9枚掛分離機用蜜こし器
蜜こし器には、ナイロン製のメッシュ状の布を掛けて置くと、後の掃除が楽です。蜜こし器に巣くずが付かないので、布だけを洗えば良いです。蜜こし器に巣くずが入り込むと、掃除が大変なのです。
このナイロン製のメッシュ状の布は、オーガンジーという名称で洋裁店に売っています。1mで500円くらい。蜂蜜充填タンクに蜂蜜を入れるときも、充填タンクに布を掛けて、蜂蜜を入れます。この布は、必需品ですね。
採蜜した後の巣枠は同じ蜂群に返します
採蜜した後の巣枠は、同じ蜂群に返しましょう。
病気の蔓延を防ぐためです。病気に汚染された巣枠で健全群が感染されないように。
遠心分離機が9枚掛けなので、2、3群の蜜枠を一度に廻す事があります。
画鋲などを利用して、蜂群ごとの巣枠を区別しましょう。
夏の最後の採蜜後は、空巣は他の群にまとめて預けるようにします。
そして、10月ころに冷凍処理して倉庫に保管し、春になったら取り出して、また使用します。
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