蜂場には栗の木が3本ある。
地元のひとは、植えた覚えがないと言う。
だから、自然に生えてきた栗の木ということになる。
ボクは毎年、その自然の恵みを楽しみにしているのだ。
9月の後半になると、栗の実が落ちてくる。
でも、そのほとんどはイノシシが食べてしまう。
手でイガにちょっと触れるだけでも「痛ぃ!」となってしまうのに、イノシシはそんなことはお構いなしに食べてしまうらしい。
あのフガフガ音を出す突き出た鼻と、口で栗をガシガシ食べてしまうのだろうか。
痛くないんだろうか。
ちょっと、その様子を木の陰から見てみたい気もする。
ということで、人間はイノシシが食べ残したものを、少しだけ頂くことになる。
その人間の手がまったく入らない野生の栗の実は、店で売っている大きな栗の半分から三分の一くらいの大きさしかない。
だから、地元のひとは食べるところが少ないと言って拾わない。
だが、これがすこぶる旨いのだ。
蜂場に行くたびに少しづつ拾い集めて、貯まってきたので栗ご飯を作ることにした。
栗を水に付けて一晩おいてから、鬼皮と渋皮をむく。
鬼皮をむくのは大変なので、妻と娘に手伝ってもらう。
鴨川の新米にもち米を1割くらいと栗、塩を入れて炊飯器で炊く。
みんなで「いただきまーす」、メチャ旨。
栗ご飯は、そんなに好きではなかったのだが、これは別次元の旨さだった。
小さな栗の実に、甘さとコクがギュッと詰まっていて、そして新米ともち米コンビのモチモチ感がたまらない。
あー、それと塩加減も完璧だったなぁー。
あまりにも美味しかったので、直売所で栗を買ってきて、また作った。
同じように作ったのだが、美味しくない。
栗に味があまり無いのだ。
大きな実だが、味が薄い。
山で拾った栗は、小さいけれど、甘くてコクがあって、店で買ってきたものとは別物だった。
栗の木が台風で倒れる
蜂場でいちばん大きい栗の木が、先日の台風で倒れてしまった。
毎年、たくさんの栗の実を与えてくれるありがたい木だったのに・・・、悲しい。
2019年の台風で根本が割れても頑張っていたのだが、今回の大風には耐えられなかった。
根っこは死んでいないと思うので、つぎの命に期待したい。